彩 愛 美 詩歌集
過去ログ229
2025/8/3 22:58
▼彩 愛 美異変2012[異変2012]
集中治療室から
一般病棟へと移される
病室の都合で
一人部屋
二人部屋
四人部屋へと
移動して行く
病気も症状も
人それぞれで
部屋だけじゃなく
フロア内には
様々な人が居る
昼夜問わずに
症状は変化し
特に静かな夜は
あちこちから
うめき声が
響いて来る
突然の急変に
慌ただしくなり
医師や看護師が
大勢集まって来て
騒がしくなる
その内ベッド毎
何処かへと
移されて行く
眠れずに
一部始終の音だけを
聴いている夜
カーテンに仕切られた
ベッドの上で
▼彩 愛 美[夏 景 色][夏 景 色]
一重二重に重なる 積乱雲が拡がる
一秒毎に姿を みるみる変えて行く
その形に色んな物を 重ね合わせて
何に見えるかなんて 言い合いをした
やがてはそれが 夕立を呼ぶ入道雲だと
気付いてはいても 雨が降り出すまで遊んでいた
夏の枕詞に 君の言葉が聴こえて来る
頭の中では何時も 君が走り廻っていた
夏の景色の中に君が 溶け込んでいて
僕は何時も君の影を 追い掛けていた
夕闇に浴衣着て 慣れない下駄履いて
みんな揃って 出掛けた花火大会
爆音に巨大な 光の共演に
心奪われて 夢中で空見てた
綿菓子 イカ焼 りんご飴の屋台が並ぶ
香りに誘われて アレやコレやと次々に廻った
夏を歌い彩る 君の言葉を噛み締めて
様々な夏を何時も 君と歩んで来た
山を歩き 海を泳ぎ 野を駆けていた
夏を懐かしむ時 瞼の奥に込み上げる想い
一人で居る夜には あの頃の景色がまるで
映画のように頭のスクリーンに 鮮やかに蘇る
夏の枕詞に 君が笑っていたんだね
頭の中で転がる 君が舌を出していた
夏の暑ささえも 君が忘れさせていた
僕の夏は君無しでは 語り尽くせない
▼彩 愛 美記憶の中の海[記憶の中の海]
海が消える
砂浜が消える
防災目的だとしても
人命尊重のためでも
人工的に作られた
砂防ダムによって
山から流れて来る
大量の土砂が
堰き止められて
海の砂が不足する
年々海から
砂浜が消えて
海岸線が変わる
地形図が変わり
陸地が少なくなる
ずっと記憶の中にあった
子供の頃の海が
数年後には
世界から
消えてしまうかも
しれないと…
海が消える
砂浜が消える
やがてこの
記憶さえも
不確かな
もう表現出来ない
架空の存在に
なるのかも
しれないと…
▼彩 愛 美ENGAGE−輝く星座−[ENGAGE−輝く星座−]
薬指に絡まる 金のリング
選んだ想いは エンゲージ
誓った言葉が 生きている限り
この道は 続き続ける
重なる指の 微かな感触が
未来への道を 照らし出している
Just married 今 この瞬間に
溢れ出す涙を 止められないのよ
いっぱい いっぱい 幸せになろうと
みんなの前で 宣言しようよ
飛ばした花束の 行方を追う
幸せの糸が 伸びて行く
一つの幸せ 分け合うようにね
別の人の手に 届ける
幸せの連鎖繋げて パーティー
みんなの笑顔に 囲まれているの
Just married 今 旅立ちの刻
みんなの言葉に 見送られながら
いっぱい いっぱい 幸せになりますって
温かい拍手 響いているわ
私達だけじゃない ここに集まって来てくれたみんな
いいえ 世界中の人達に 幸せ分けて上げたい…
合わせた手の間に 輝く星座
宇宙(そら)いっぱいに 拡散しようよ
喜びのシャワー 降り注いで
世界中みんな 幸せであれ
▼彩 愛 美幽体離脱公衆電話からだと思われる 非通知電話が入る
それが私からの電話だと あなたは気付く事も無くて
意図して失くした 携帯電話には
あなたからの着信が 入る事も無い
自分から切ったラインを また繋ごうとしている
途切れた空間と空間が 繋がる事は落盤してもう無い
進もうとする私と 戻ろうとする私が
何処かで分離して 行こうとしている
もうとっくに終わって しまった事だと
どんなに言い聴かせても 泣く子供みたいに
壁をすり抜けて思い飛ばして あなたを追い掛ける
体と心が着いたり離れたりを 繰り返している
私の中に芽生え 始めている
別人格の 私の存在
自分の都合に合わせて 他人の振りをしている
無意識なスイッチ一つで 性格まで切り替えてしまう
優しくある私と 強暴である私と
どちらとも言えない 支離滅裂な
パラレルに転回 して行く世界
自分でも信じ難い グラデーション
出逢いと別離を何処かで ラインを引いて
ピリオドマークを付けるか 迷っているの
顔の無い記憶の中の あなたと私が
陽炎のように ゆらゆらとしている
ぐら付いている曖昧な 私の覚悟
もうどうだっていい事 また蒸し返してさ