まとめ

過去ログ682 2017/3/31 16:30

★大阪杯
アンビシャス
この馬の場合はトップスピードの質的にもそれなりのレベルにはありますが、少なくとも大阪杯のパフォーマンスを見ても質的に高いレベルと言って良いゴールドアクターや全盛期のラブリーデイと比べれば少し物足りません。
逆にトップスピードの持続力はそこそこのレベルまで来ていて3歳時は共同通信杯で甘かったことを考えると、ある程度のレベルまではきているように思えます。
ただ、大阪杯で勝ち切れたのは超スローの中でキタサンブラックのすぐ後ろという位置を取れたからで、後半要素でキタサンを上回ってきたためです。
ペースが上がればキタサンのペースについていって潰れていた可能性が高く、その点では適性面で限界があったように感じます。
内枠で前目を取ってなんとか壁を作れるというような形ができなければどうしても位置取りが犠牲となってしまいますが、ペースが流れてしまえばポジションは気にする必要はありません。
フラットに流れても後ろから入れば自身後傾になるのは確実で、中山記念でも4〜5Fで見れば相当長く脚を使った上でのもう一足という形だったため、究極的な3F勝負の流れとなれば別ですが、全体で流れてしまえば折り合いも位置取りもそんなに気にしなくて良さそうです。
ただ、ペースが遅い中で後半特化での競馬では決定的な仕事はできないので、そこのバランス、リスクをどう取って行くかというのがポイントになります。

ヤマカツエース
鳴尾記念は59.0-58.6と平均は流れ、その中で正攻法で好位から進めながら積極的に勝負に行ったとはいえサトノノブレス、ステファノスに完敗。
宝塚記念は稍重で59.1-61.3と2秒前後のかなりのハイという中でL3最速で後方から何もできておらず、脚を残していて伸びたということもなく惨敗。この馬は後半特化で金杯は勝っていますが、あそこまで超スローの2F戦だと位置取りと仕掛けの勝負で、32秒台が出ていた中であの位置から出し切っての33.0に大きな価値はありません。
戦績を見ると前走の金鯱賞はフロックでの勝利に思えますが、この馬は休み明けと道悪馬場では走らないため、近走で休み明けと道悪馬場を除いた成績を見てみると以下のようになります。
金鯱賞1着
有馬記念4着
金鯱賞1着
天皇賞秋15着
中山金杯1着
札幌記念4着
函館記念3着
15着に崩れた秋の天皇賞はレース当日に10キロも馬体を減らす調整ミスだったために参考外で、有馬記念は直線で真ん中を突いた時に内に切り返すロスがある中での4着で、それ以外は堅実に走れています。
前走の金鯱賞は馬体を回復させながらの調整で勝利しており休ませたことで馬の成長が窺えます。池添騎手は「もう一段良くなってきますよ」と自信をもっており、注目の1頭となります。

マカヒキ
ディープインパクト譲りの追い込みは、世代屈指の破壊力を見せており。
この馬は前半3ハロンのタイムが速くなればなるほど、道中の位置取りは後方に下がっています。
言い換えればスローペースでは好位で競馬し、ペースが速くなれば後方から競馬しているということです。
これだけを見えてもマカヒキは決して追い込み一辺倒の馬ではなく、キタサンブラックのように「ペースに応じて位置取りを替えられる『自在性』を持っている」ことがわかります。
前走の京都記念では久々と馬場の緩さも影響してラスト100mで脚色が鈍っていただけに、良馬場が理想となります。

★大阪杯
キタサンブラック
現役の総合力型タイプの最上位の馬で、通常の総合力タイプの馬はトップ数ピード持続が甘い傾向がありますが、この馬は有馬記念でも2段階加速をしていく中でもしっかりとその鋭さを引き出して出し抜けていました。
また、宝塚記念の様にタフな馬場で単調なスピード戦に特化させても崩れておらず、ダービーを除けば崩れるシーンをは見せていません。
この馬の安定感の要因は直ぐに動け、番手追走型ながらも逃げも可能で、逃げてしまえばスピードを活かしてしっかりとペースを引き上げても良く、要所の反応も良い点で、更に仕掛けが遅い場合は段階的に後半ロングスパートに持っていってそこからももう一段階ギアをあげられる性能の高さにあります。
ただ、総合力タイプだけに、決定的な武器は無く、極端な展開でその流れでのハイパフォーマー(消耗戦でのポテンシャルタイプ、切れ味勝負でのトップスピードタイプ)相手にはやられる可能性はあります。
大阪杯で正攻法の上がり勝負に持ち込んでアンビシャスに差し切られたケースもあり、パワー型のスピード特化の宝塚記念ではマリアライトに完敗しています。
最上位相手にトップスピード戦では対応はできていますが物足りない面は見せています。
理想はスローなら直線勝負ではなく3〜4角から動いていくイメージで、ある程度全体のペースを引き上げる競馬です。

ステファノス
この馬はトップスピードに乗ってからの持続力がこの路線では現役屈指で、多少ポジションを捨てても前の加速スペースを取りながらの競馬をすることが重要です。
毎日王冠では下がってきたディサイファのせいでスペースがなくなってしまいましたが、直線で急に踏み込んで加速できるタイプではなく、詰まってしまいと致命傷となってしまいます。

この馬は一昨年の秋の天皇賞では高いパフォーマンスを見せており、あの時点では間違いなくトップスピード持続力で上の存在でした。
セントライト記念でもやれているように距離も1800mよりスピード的にある程度楽ができる2000mの方が良さそうなため、条件的には問題ありません。
この馬の高いパフォーマンスは高速馬場状態でのトップスピード持続戦だけに良馬場が理想ですが、宝塚記念に対応してきた面もあるため馬場が重くなっても極端にはマイナスではありません。
アンビシャスと比べても操縦性、折り合い面に難がある馬に対してこちらは外から出していってもある程度許容できるのは魅力です。
トップスピード持続戦で後方のアンビシャスより前で中団ぐらいという形なら差されるイメージは無く、後半型の馬としては魅力のある一頭と言えます。

サクラアンプルール
これまでのレース内容からも、この馬は基本的に要所の良さを引き出したいタイプと言え、ノベンバーSは淡々とした流れの中で中団の内から捕まえに行く形となり直線序盤で鞭が入って早めの仕掛けになっていました。
仕掛けが早くなった分だけL1で甘くなってしまい、阿武隈Sの様に12.2 - 11.8 - 11.7 - 11.6 - 12.6と4F戦に近い競馬を2列目の外から勝ちに行く競馬でも甘くなっていました。
この馬はタイプ的に仕掛けを待ちたいタイプであり、前目のポジションを取りたいタイプと言えます。
ただ、本当にいい脚は一瞬なので3〜4角での立ち回りがカギとなりますが、前走のようにそこで脚を使わずいかに直線入りで鋭く反応させてくるかが重要です。

サトノクラウン
この馬は基本的に前半無理ができる馬ではなく、典型的な後半特化のステイヤーと言えます。
3歳の段階ではトップスピード戦でも対応できていましたが、それでもダービーでもキレで優位に立てたわけではありませんでした。
少なくとも最速地点で優位に立てていたわけではないので、トップスピード戦では何とも言い難い1頭です。
神戸新聞杯でもリアルスティールは骨折明けとはいえリアファルに見劣っており、この世代自体がトップスピード特化戦でのパフォーマンスが高くないように思えます。
キタサンブラックも段階的な加速でパフォーマンスを上げており、この馬もスローのロングスパート戦で良さが出ました。
近走からもペースが上がって全体の競馬になるのは避けたいところで、ペースが上がると後方からでは苦しく、この馬を狙うなら有馬記念等のもう少し距離の長いレースとなります。

★ファンディーナ
グレード制導入以降、牝馬が皐月賞に挑戦した例は、先述したバウンズシャッセに加え、1991年のダンスダンスダンスの2頭しかいない。ともにファンディーナと同じくフラワーC(G3)からの参戦となる。

 バウンズシャッセが12番人気11着、ダンスダンスダンスが15番人気5着と牡馬の厚い壁に跳ね返された歴史があるが、もしもファンディーナが皐月賞を勝利すれば1948年のヒデヒカリ以来、69年ぶりの勝利となる。

 これは牝馬として65年ぶりに日本ダービー(G1)を勝ったウオッカに匹敵する記録であり、歴史的大記録となることに疑いの余地はない。

 ただし、陣営が至って「本気」であることは、追加登録料200万円をわざわざ用意した点からも伺える。

 元からファンディーナは、牝馬ながらに1月のクラシック2次登録で日本ダービーへの登録を済ませている野心溢れる存在だった。今年はソウルスターリングとレーヌミノルと合わせて3頭しかいない、ある意味「牝馬の枠」を超えようとしていた馬である。

 だがその反面、皐月賞への登録を行っていなかったため、この中間も「牡馬挑戦をするなら日本ダービー」と目されていたが、まさかの皐月賞参戦。

『スポーツ報知』の取材を受けた高野友和調教師は、クラブ(ターフ・スポート)側から要望があったと話し、問題ないので希望に添えることとなったと経緯を説明している。


騎手は主戦の岩田康誠騎手をすでに確保。高野師は「我々としては、きっちり仕上げていくだけ。体はできているので、牝馬ですし、穏やかに仕上げていきたい。レースまで無事に持っていきたい」と改めて決意を語っている。

 なお、皐月賞の結果次第では、そのまま日本ダービー挑戦も視野に入っているようだ。

 かつて1943年のクリフジが日本ダービー、菊花賞の2冠を達成しているが、牝馬の皐月賞、日本ダービーという春2冠制覇となれば史上初。まだまだ気の早い話となるが、実際に馬なりのまま5馬身差で圧勝した前走のフラワーCの勝ち時計は、前日の皐月賞トライアル・スプリングS(G2)とわずか0.3秒差。時計的には、通用してもまったくおかしくはない裏付けもある。

 果たして、この歴史的挑戦と述べて差し支えない決断は吉と出るか凶と出るか。すでに最強牝馬とさえ評されている"怪物"が、この春の話題を独占するかもしれない。