1 鈴木♂

紀尾井町の真実

今の処は例年よりも雪が少ないというか小雪の年じゃないのかという感じの
新潟県内なのですが、このサイトを御覧の皆様方もそんな季節の新潟を如何
お過ごしの事でしょうか?。

冬至が過ぎて少しづつ日も長くなってきました。
長くて憂鬱な新潟の冬なのですが天気の良い日の夕方にはちょっとだけ
春を感じるような気が致します。
そしてそんな真冬の新潟で鈴木♂が最近気になった話題はこんなお話です。
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2 鈴木♂
このサイトでも数年前に御紹介した事がある「迎賓館」という最初は個人サイト
から始まって、それが怪談新耳袋に載ってやがては映画やマンガにまで広まった
という西浦和也氏の大傑作怪談があるのですが、そのお話を西浦氏御本人が
ネトラジ不安奇異夜話で語ったときのものがこれです。

     不安奇異夜話『迎賓館』

     http://www.youtube.com/watch?v=7djFB9Otq8w

この中で西浦氏は建物を解体して別な場所に移動させたのちにそれをまた
再構築するという工事だったので解体するときも写真を撮りビデオを回しながら
工事を行ってたという事をちらっと語っておられますが、写真ならまだしも
今から24年も前に行われた工事のビデオなんてもう無いか或いは大手ゼネコンの
資料室に眠っていて、いずれにしろ一般人には見る事ができないんだろうなあ
と鈴木♂は思ってました。
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3 鈴木♂
ところが最近になってこのときに撮影されたビデオや写真が全部では
ありませんが普通に公開されているというサイトを偶然見つけました。

東京都大田区の社寺古典建築と耐震診断−耐震補強工事の望月工務店の施工事例

http://www.mochiduki-koumuten.co.jp/classical/works/k_works01/index.html (PC)

新日鐵・紀尾井寮の移築工事を請け負っていたのは竹中工務店だと思っていた
のですが、実際に工事を行ったのは望月工務店だったという訳ですね。
不安奇異夜話でこのお話が語られたときに鈴木♂もこの工事の記録を捜して
みたのですがそのときには全く見つけられなかったので、望月工務店HPのこの
webページは近年になって作られたものみたいです。

ちなみに検索してみるとこの「迎賓館」という怪談を紹介しているサイトや
ブログはいっぱいあるのですが、その中で上記の望月工務店HPを紹介している
サイトはまだ見た事が無いの怪談を扱っているサイトやブログでこれを
取り上げたのはこのサイトが初めてなのかもしれません。
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4 鈴木♂
まさか本物の「迎賓館」の写真や動画が見られるとは夢にも思いませんでした
から鈴木♂もこれにはかなり驚きましたが、さてここからが「迎賓館」という
建物の本当の由来です。


この建物はまず最初に明治時代に香川敬三伯爵邸として建てられたものでした。
ちなみに香川敬三とは元水戸藩士の勤王の志士であり新撰組の近藤勇を捕らえた
という事で有名になった人です。
それを大正時代に豪商の村上喜代次が入手して増改築致しましたがそのときの
設計者は岡田信一郎でした。
その屋敷を戦後になってから北半分を新日鐵が使い、南半分を料亭福田屋が
使っていてバブル期の'90年に新日鐵・紀尾井寮部分を渋谷区南平台に移築して
料亭福田屋部分を解体、そしてその跡地の紀尾井寮部分に福田屋ビルを建て
料亭福田屋部分に紀尾井ホールとハウス食品本社を建てたみたいです。

怪談を面白くする為にお話を多少盛るというのは一向に構わないと鈴木♂も
思うのですが、明治時代に建てられたというこの建物は武家屋敷でも無かったし
元首相夫人が子供の頃に住んでいたという家でも無かったみたいです。
しかしその元首相夫人の家というか元首相の家が渋谷区南平台にありましたから
そこに新日鐵社長公邸として移築された「迎賓館」を元首相夫人が眺めに来た
というのが本当の処じゃないのかと鈴木♂は思います。
そして西浦氏の話では今の紀尾井ホールの所にかつてこの屋敷の蔵があったので
蔵に居た子供の幽霊が紀尾井ホールに出るのだという事なのですが紀尾井ホール
の場所にあったのは蔵じゃなくて料亭福田屋なんですけどね (ー_ー;) 。
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5 鈴木♂
最後に日本近代建築マニアの方のブログをちょっと御紹介致します。

   ★近代建築探訪★ OSN067歌舞伎座の和風意匠

    http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/3446/4115/71832756 (PC)

そしてこの記事の【付記】には

【付記】(1)Googleで「紀尾井町 南平台」と検索すると興味深いサイトが
       見つかるが、コメントは差し控える。

とありますね (ー_ー;) 。
でも鈴木♂は今でもこの怪談噺を10年に一度くらいの大傑作だと思っております。
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