月いろの手紙 SONG NOTE

過去ログ165 2013/2/22 23:30

▼彩 愛 美D
冬  桜
 
遅い春を 待ち切れなくなって
想いを蕾に したためてみた
まだ少し早いとは 想ったけれど
あなたを想えば 春らしい

幾らかは昼間の 時も長くなって
晴れた日には 暖かさも感じられて来た

蕾んで来た 薄紅は花を望み
春を膨らませて 想いが弾ける
空を仰ぐように 花を翳して
今日が春だと 呼べるように


薄い春の陽が 見え隠れして
拳の蕾も 解されて行く
冷たい春の風も 夢の入り口
誰それ恋せば 春日和

和らぐ梢の爪 陽の芽を伸ばして
手付かずにした日記に 春を書き加えた

朧気に霞んだ 夜明けの夢の先に
確かに感じる 春を覗かせて
誰より一番に 春を届けに
逢いに来たよと 言えればいい


どんな春を夢見て居たの長い冬の眠りの中
溶け出して来た想いに草木も萌えて


春より春らしく感じる 春の兆し
不意に零れ出す 温もりの雫
待つよりも早く 迎えに出掛ける
花咲く春だと 告げるように


*SONG for Saku-Ra
 
 
2013/2/22 23:30

▼彩 愛 美D
凍  土
 
落ち始めた雨が 雪に変わる前に
早くあなたの下へ 還ろうと想っていたの
千切れそうに凍える 白い息が手の中で
あなたを描いて 家路を急かしている

定刻15分遅れで 成田に着いて
都心に向かう シャトルバスは満員で

雪混じりの 首都高はそろそろ
速度制限の 渋滞が始まって
ただでさえノロい バスの足が
凍り付いたように 動かなくなる


相も変わらず 雑然とした街も
遠く離れてみれば 懐かしくも想えて来る
声になど出せない 言葉を飲み込むように
じんわり溢れる 涙腺が熱くなる

加速する想いを余所に 雪に閉ざされ
停滞する道は 遠くなるばかり

雪霞み バスも電車もノロノロ
時間と共に 気温は下がるばかり
冷たく凍土が 拡がって行く
指先の想いが かじかんでいた


旅の疲れが眠気を誘う 雪の降る夜
まだ眠る訳にはいかない 静かな夜


音も無く 激しさを増す雪に
視界を奪われ 還る道を失くした
今直ぐにでも 逢いたい想い
凍土に貼り付いて 粉々になる


*SONG for 川島 麗美
 
 
2013/2/18 23:03

▼彩 愛 美D
  豆  
 
世界は人が溢れ過ぎて
ぶつかる度に 争いが始まって
人は憎しみの豆を ぶつけ合った

自分だけの幸せを求め続けては
平気な顔をして人を傷付けて来た

戦うためなんかの道具じゃなくて
生きて行くための宝物
大事な食糧を 兵器に変えないで
譲り合う事から始めよう


進む道は一つじゃなく
幾多に分かれ 目的地も違うもの
狭い道 我先にと競い合って

攻め合う危険なレースばかり続けては
誰彼構わずに人を蹴落として来た

敵意を剥き出して 争わないで
共に手を取り歩き出せるから
大事な食糧を 兵器にはしないで
生きる難しさに頭抱えて


鬼も福も同じ心の中に住んでいて
不必要な物なんて一つもありはしないのに


憎み合うためなどに使ったりしないで
手を繋ぐ優しさを想い出し
大事な食糧を 兵器と呼ばないで
許し合う気持ちを忘れずにいて


*SONG for MAJO-MAJO
 
 
2013/2/15 22:38

▼彩 愛 美D
How Many Valentine
 
去り行く想いも 巡り来る想いも
一言だけでは 上手く伝えられなくて
喧嘩した事も 仲良くなるための
大切なカテゴリーの 一つだった

今改めて振り返ってみる 二人の軌跡
お互いにどれだけ 想いをぶつけ合えたの

差し伸べた手の中にある 確かな真実
嘘偽りの無い想いを 伝えるのだと
その日のためにリボンを そっと掛けた


造り物の お祭り騒ぎに落ちる
何時しか本当の 意味さえ忘れて
周りと同じ形に 落ち着いて行く
誰かの企みに 流されてしまう

大事な事は自分達が 持つ想いだと
気付く事出来たら もっと深く愛せるわ

儀式なんかで 終わらせたくない想い
力強く燃えて 大きな炎になって
消す事なんて出来ない 愛に育つ


大きさなんて測れはしないけれど
誰にも負けない程愛を膨らませて来たの


周りがどうでも 二人の想い繋げば
嵐にも揺るがない 力に出来るから
その手に渡す 想いを刻み込んで


*SONG for 長谷崎 ぴあの
 
 
2013/2/11 23:30

▼彩 愛 美D
Killer Snow
 
深々と降り積もって行く雪が
何もかも全てを遠避けてしまう
せっかくここまで来たあなたとの距離も
スタートラインよりずっと後退させられる

進もうとして力を込めれば尚更に
深く沈んで前には行けなくなる

想いの届く範囲が狭くなって行く
目に映る全てが白く霞んで行く
降り止まない雪はまるで消しゴムのようね


知らない間に忘れ去られてしまう
大切な物程 早く消えて行く
僅かな時間なのに遥かに及ばない
意識の奥へと押しやられてしまうのね

常に新しい物だけが残されて行く
誰も停まった時間に見向きもしない

途切れた電波の先は白い闇の中
何処に何があるのかも探せなくて
繋いだ手と手の感覚さえ薄れて行く


凍えて行く心にもう目も開けていられない
直ぐそこに居る人の顔だって見えなくなる


寒さに閉ざされて行くギリギリの命
恋だって生き物だって知る時に
行く手阻む雪が最期通告を下した

*SONG for なるはるな
 
 
2013/2/8 22:57

166164

掲示板に戻る