月いろの手紙 SONG NOTE

過去ログ173 2013/7/26 23:23

▼彩 愛 美D
道化時計
 
窓を巡る時計が お昼を指して
またあなたが 寝坊して約束を
不意にされてしまったのね

何時もの事だとは 想っていても
今日こそはなんて 毎回信じても
その度に期待を 裏切られている

どんなに早起きして おめかししても
ちゃんと見てもらわなければ
ただ待ちぼうけしているだけの道化だわ


夕空の時計が 限界を越え
急かすようにして 帰り支度をする
ここから追い出すみたいに

文字盤ももう 見えなくなる頃
夜露がそこまで迫る 重たい足取りで
心を引き摺るように 急ぐ道

泣きたい想いさえ 置いてきぼりね
暮れ行く暗闇に 燈る灯りに
今日一日の想い見送る道化だわ


どれだけ滑稽に 映るのでしょう
一人だけおどけたみたいな デート仕様


夜を辿る月時計が 眩しくて
こんな時間まで 眠れない
つくづく一人が身に染みる道化だわ


*SONG for 古和泉 恋華
 
 
2013/7/26 23:23

▼彩 愛 美D
バンジージャンプ
 
トリコロールの 想いに揺らいで
恋人 友達 それともただのクラスメイト

友達関係を 振り切ってまでも
恋人になりたかったとでも言うの

バンジージャンプのように真下に
飛び降りても 戻っては来られない
命綱なんて 何処にも無くて
それでも飛び込まなければ恋は始まらない


ベルベットの 手触りに和んで
恋人気分で寄り添える 空気感に酔う

揺りカゴみたいな 至れり尽くせりの
恋なんてそんなにあるはずもなくて

バンジージャンプのようにいきなり
突き落とされ 今何処に居るのかも
解らなくなり パニックになる
一人異世界の中じゃ 恋にならないわ


シャウトしている間にすれ違うジャンプ台
恋に躊躇っている暇なんて無いのにね


バンジージャンプに命を懸けて
恋する想い ぶつけてダイブする
生還出来ない 恋だとしても
それでも飛び込まなければ恋は始まらない


*SONG for 涌井田 朱子
 
 
2013/7/22 23:08

▼彩 愛 美D
Scapegoat
 
何にも知らずに 馬鹿で勘の悪い
君のままで居た方が 可愛かったよと
なんて言い種 失礼しちゃうわ
みんなあなたが 教えてくれた事よ

3時間前の あなたの言葉が
ずっと遠い何処か 昔に聴いたみたい

信じたかった嘘 信じられない現実
交差する影と光 愛の虚構
何も無かったような すまし顔で
踵返し 背中を向けてしまうのね


私と同じ 化粧の匂いがする
でも微妙に調合が 違っているわ
同じ物でも 使い方が違う
誰の身代わりに 私を撰んだの

心を澄まさなければ 気付かない
些細な違和感が 静かに染み出すのよ

どうしてちゃんと 否定してくれないのよ
うやむやにする態度が 世界を壊す
明らかに 妖し過ぎる言動で
不安を煽るような 事ばかりするのね


あなたの愛の罪を 被るつもりなど無いわ
本当のあなたを 愛していたいだけなのよ


すり替えられる愛 幽閉されたプリズン
危うい恋愛道化 誰も笑わない
ガラスケースの中で 笑顔見せる
あなただけの 人形にはなれなかったわ


*SONG for 長谷崎 ぴあの
 
 
2013/7/20 0:03

▼彩 愛 美D
最後の恋にエールを
 
よろしくね もう二度とは
逢えなくなった 恋だけど
最後にね もう一度だけ
あの店のディナーを 食べたいわ

嫌い合って 別れる訳じゃない
お互い発展的な 別れだと
あなたは そんな風に言うけれど

好きのままで居られるのなら尚更の事だわ
この恋をずっと 引き継いで居たい


好き放題 伸ばした
髪をバッサリ 切り落とした
恋の想い出と共にね
何時までも振り切れずに 居たくはない

沈み込んで 居るだけじゃ進めない
簡単に割り切れる程 ドライじゃない
あなたに 泣き顔見られたくない

最期の刻を笑って迎えられる気〆にね
この恋に 最後のエールを送る


ギュッと胸の奥で何かが潰れる音がした
ほんの少しだけ涙が出たけれど笑顔だった


哀しいけれど悲しくはない大人の恋だった
忘れはしないよと エールを送ろう


*SONG for 麻  美
 
 
2013/7/15 23:52

▼彩 愛 美D
早  夏
 
雨盛りを過ぎた 午後を揺らして
ひねり出した 雷音の声が響けば
怯えに追われて 雲の一団が
東の空へと 走り去って行く

幾ら雨月とは言っても 紫陽花までも
疲れた顔で首を 揺らしていた

移り行く空の 切れ間から
夏の陽の幸せを 降り注いで
瑞々しい青さを 拡げていた


早走りで過り 健脚を誇る
激しい雨 最後の雄叫びを残して
遥かな夏空 待ちわびた風が
南の香りを 運び入れて来る

重たい雨溜まりを弾き 軽やかな虹
明日を彩り 夏へ橋渡す

空の汗を払い 招く夏
雨の香りを飛ばす 風になれば
長く伸びる夏草 揺らして行く


幾つかの雨の余韻を 忍ばせる夏への入口
想いを育む 陽射しの眩さに揺らぐ


錆び付いて軋む 夏時計
ようやく廻り出した 想い車
生まれたての風受け 描く夏


*SONG for Saku-Ra
 
 
2013/7/13 0:31

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