彩 愛 美 詩歌集

過去ログ185 2014/7/3 0:59

▼彩 愛 美
雨 現

雨の声に 耳を澄ませていた
青葉を伝い 大地へと還る
静けさのような 激しさのような
声は枝葉へと 響いて行く

葉先を伸ばして 力を込めて
もっと大きく 伸びよと願って

雨に映る 木霊の舞う姿
まだお前達の 遊べるこの地が
ここにずっと 在り続ける限り
命の環は 廻って行くのだろう


雨が上がれば 虹を探しに行こう
幸せ運ぶ 大空の橋を
所々 消え掛けている脆さ
静かに急いで 渡り切ろう

直ぐにも壊れて しまわない内
そっと片足づつ 滑らせながら

雨の空に 希望を蒔き散らす
事が出来れば どれだけ嬉しいだろう
一つ雨を 乗り越える度に
強く成れる 気持ちにしてくれる


雨音の波紋が 心中に響き渡る
静かな海の 潮騒のように沁みる


雨の現に 傘を傾けて
足が少し 濡れるのが気持ち良い
悩む事を 忘れてしまえば
どんな時も 青空を描ける



2014/7/3 0:59
HP

▼彩 愛 美
ふきだし

街に出れば
必ず 誰かと出逢う
知り合いだろうと
そうでなかろうと

出逢う人の想いが
ふきだしになって
全て 読めてしまう
上辺の会話とは
大きく掛け離れた
本当の気持ち

意識して
心を閉ざさない限り
次から次へと
涌き出るふきだし
知りたくも無い
他人の想いが
目の前に現れる

口にしなければ
解らない事でも
真実ばかりでは無く
聴かなければなんて
何時も後悔をする

漫画でもあるまいに
見えない筈の言葉が
矢のように飛んで来る
望んだ訳でも無い
欲しくも無い能力で
今日もまた
人間不審になる




2014/6/30 0:43
HP

▼彩 愛 美
梅雨大陸


申し訳無さそうに 項垂れていた
街灯も雨の中に 佇んでいる
これからまた今年も 長くて暗い
梅雨の季節へと 移ってしまう

孤独に震える 雨戸の閉まる部屋
陽の光を求めて 戸惑う仙人掌

あなたの街を 目指す
心を挫くように降る雨
晴れ間無く 続く悲しみに
淀む想いを どうか照らして


太り過ぎた ペットの猫がしきりに
足に絡み付いて 動けない
解けなくなる 想いの糸口にが
雨に打ち消され 探せなくなる

尻餅を搗いた 階段の手前で
カビてく心 ガラクタになる前に

あなたを示すコンパス
の針が折れて しまう程の雨
世界中が 水没しそう
溺れてしまう 想いすくって


何処を目指してみても 雨は降り止まぬ
梅雨景色に沈む 大陸だと言うのなら


あなたを探す 意味を
失う恐さ 噛み締めて
揺れ動く 果て無い旅に
定まらぬ願い 託してみてもね




2014/6/26 0:11
HP

▼彩 愛 美
エキタイサナギ

マダ ボクタチは
完全なカタチなんて
決まって居なくて
次のカタチを探して
シコウサクゴを
繰り返して来た

今ある カタチは
ただの イレモノで
カタチそのものには
まるで 意味の無い
仮の スガタ

マダ ボクタチは
自分の 将来など
全く 解らなくて
目的地の無い道を
皆と同じ流れに
逆らわないよう
身を任せただけ

イマ ボクタチは
エキタイサナギになって
昨日までの カタチを
ゼロに 戻した
昨日までの道とは違う
今日から歩く
別々の無限の道
個々に必要な カタチへと
スガタを 変えて
マダ サダマラナイ
進路を探りながら
歩くのだろう


2014/6/23 0:23
HP

▼彩 愛 美
ス マ ホ


新しく変えた スマホの中には
まだメールが 一つも届かない
アドレスが変わった事も あるけれど
慣れない操作に 戸惑っているから

周りのみんなが そうなんだからと
無理して替えた 最新機種

殆ど使えない 機能とアプリばかり
通信コストも 高くなって
お気に入りだった 可愛い絵文字も
もう使う事が 出来なくなっていた


片手の中に 納まっていた頃には
片手携帯で 片手ノートと
同時進行が 器用に出来たのに
まるで違う操作に 付いて行けない

ライフスタイルに合わせて選べば
スマホの必要も 無かったのに

ファッションみたいに 流行りに踊らされて
時代遅れの ガラケーを棄て
身分不相応の スマホに替えた
もう戻せないと 解っていたのにね


使い慣らした機能はもう 何処にも無くて
何処のキャリアの販売店でもスマホばかり



独自の進化スタイルで ここまで来たのは
国民性に 一致したから
今更国際基準を 持ち出されても
気持ちがそこまで 付いて行けないよ



2014/6/19 0:02
HP

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