まとめ

過去ログ627 2015/10/22 9:52

★土曜日 共通
東京11レース

富士S

サトノアラジン
後方で脚を溜める形でトップスピードの持続力を引き出してくることに成功したように思えましたが、エプソムCではスロー気味とはいえポジションを取りながらトップスピード持続戦でエイシンヒカリ相手にかなりきわどいところまで食い込んできました。
このレースのレベルを考えてもこれは評価できる1戦で、現時点では以前のようなトップスピードの持続力の甘さを懸念する心配はなくなりました。
スピード面でマイルがどうかという懸念はありますが、2000mでは小倉の厳しい流れで突き抜けています。
この馬は高速馬場でパフォーマンスを上げており、トップスピードの持続力の甘さを見せていたのは時計がかかる阪神の外回りコース。
その点からも軽い府中なら心配なくここ数走のパフォーマンスを信頼できそうです。
マイルで32秒前半を走破時計に想定するとしてもバランス的には47-45で足りるので後方からの競馬になったとしても仕掛けが早くなればそこまで心配する必要はありません。

クラリティスカイ
今回は相手が強敵になりますが、57kgの斤量がポイントとなりそうです。
本来斤量はあまり気にしないタイプですが、それでも同じ3歳勢からは1〜3kg差があり、サトノアラジンよりも重いというのは厳しい条件です。
東京マイル適性は抜群で、多少流れてもやれる馬、ペースが落ち着いたとしてもポジションを取って要所で動けるためスローからのギアチェンジ戦も対応可能でトップスピードの持続戦になったとしても3歳時のパフォーマンスから高いレベルで戦えます。
NHKマイルCの走破時計は遅くなりますが、後半ラップは優秀で府中なら総合力をいかんなく発揮できるため大崩れはしにくいタイプだと言えます。
後は、本番を見据えた仕上げとここへの臨戦過程と斤量を含めて春のこの馬の力を発揮しきれるかどうかが焦点となります。


ダノンプラチナ
今回は良馬場なら高速府中となるため、その点で考えるとよりトップスピードの質といったところが要求される可能性が高くなります。
朝日杯やベゴニア賞ではある程度厳しい流れでバテずに突き抜けるという競馬でもタフな馬場であり、時計的に32秒台の決着に対応してくることができるかどうか。
これは2歳の段階で1:33.5という走破時計で突き抜けてきたクラリティスカイと比べると不安材料と言えます。後半の要素を引き出せる馬場やペースであればクラリティの方が性能は高いため、今回は対クラリティスカイで3kgの斤量差がある点は大きな材料と言えます。
適性的には馬場が渋ってくれればこちらが優位に立てるだけに、馬場状態が一番のポイントとなりそうです。
ただ、ここは前哨戦で賞金的にほぼ問題無いため、ここはたたき台の面が強いように思えます。
高速馬場での時計勝負には課題があり、近2走は距離も展開も違います。
今回は状態と馬場適性が焦点となります。

★日曜日 共通
京都11レース

菊花賞

ジュンツバサ
父はステイゴールド、母父はアフリートですが、アフリートはミスプロ系でも比較的長距離系を出す種牡馬でステイヤー色が強い競馬をしており、少なくとも気性的な不安はないように思えます。
この馬の場合は距離よりも馬場が問題で、血統的にどちらもパワー型血統だけに、前走のセントライト記念はエアレーションが利いた力の要る馬場が向いていたように思えます。
この馬にとって今の超高速京都は不安材料となりますが、それ以外の条件は概ね良いと言えます。
その理由は、京都の長丁場は極端なギアチェンジ戦になりにくく、これまでの戦績から見ても要所での反応は鈍いタイプのため、緩い流れから瞬時に反応できる馬ではないので緩やかな加速とともに徐々にエンジンをかけていきつつこれまで底を見せていないトップスピード持続力、ポテンシャルで勝負したいというのは確かなところです。
京都なら3コーナーの下りからの動き出し、或いは近年なら3コーナー手前からの動き出しもあり得るコースなため、ここでの流れに沿って進めていくことができれば能力そのものは発揮しやすいコースと言えます。
石橋脩騎手は逃げてレースを作るのは苦手な印象ですが、番手以降からレースを動かすのは上手いというイメージで、積極策を打っても良い立場の馬だと思います。
流れを上手く引き寄せることができればチャンスは出てくる一頭で、雨で渋ればさらに不気味さがますとうです。

レッドソロモン
未勝利勝ちの圧勝の内容からも道悪で単調な競馬、3000mならロングスパート戦といった形でトップスピードが要求されない競馬になれば一気に浮上してきても良い1頭です。
若葉Sは高いパフォーマンスで、ああいう馬場状態であれば変わってくる可能性があります。
超高速の京都3000m、昨年のような大幅にレコードを更新するようなペースでも今の超高速馬場だとはっきりとスローとなるため、そういったことを考えても極端に言えば3分フラットぐらいの競馬で消耗戦になってこないと超高速馬場では厳しいように思えます。
スピードの幅は未知数で、トップスピード戦以外ではまだ底を見せていません。
神戸新聞杯は6着ですが、リアファルより1列後ろから1.2差まで広げられるレベルなので余力がある状況でのトップスピードの持続戦ではどうしようもありません。


キタサンブラック
菊花賞はこの馬の持ち味であるギアチェンジで一気に出し抜くというのは難しいコースで、3コーナーの下りもあり、今回はリアファルを各馬がマークする形になるのでリアファルの直後でポケットで我慢という形は取れるにしても外からペースを引き上げてくる馬は当然出てきます。L4−3からじわっとペースが上がっていく可能性が高く、出し抜く競馬ができるかどうかは今回はあまりいい材料とは言えません。
今回は仕掛けをギリギリまで待てる舞台で、2列目のポケットで進められれば仮にコーナー最速の展開になったとしてもそこで脚を使わずに我慢できる分だけ直線での余裕につながってきますが、一瞬の脚は良くてもスプリング、セントライト記念ともに最後は甘くなっているだけに、京都の長い直線で減速ラップを2F踏むに展開になった時に耐えきれるかどうかがカギとなります。
逆にL2最速戦に持ち込めれば直線平坦な分だけ最後の甘さも軽減されそうで、とにかく仕掛けを遅らせる競馬で2F戦に持ち込めれば勝機はあります。
しかし基本的には早仕掛けにはなりやすいコースとなるため、展開待ちの身で重い印は打てない1頭です。

★日曜日 共通
京都11レース

菊花賞

スティーグリッツ
総合的に見た時に最序盤で優位に立てるとは言えない1頭です。
距離延長となった前走でも上のクラスになると出負けしており、二の足も平凡でした。
京都3000mでも菊花賞で各馬が意識していく中でハッキリとポジションを取ることができるのかどうかの不安はありますが、一方で九十九里特別や2走前の渥美特別で見せたエンジンがかかってからのトップスピード面は評価できます。
問題はこのクラスで突き抜けるだけの武器を持っているかどうかで、あくまで1000万下レベルでしかありません。
ここに入ってやれるかとなるとワンパンチ足りない印象があります。
この馬の場合、1800mの城崎特別はハイペース消耗戦でL1では脚を使っていたように、スピード不足でも幅自体は許容範囲でついていくだけで失速というわけではありませんでした。
昨年のような前中盤の2000mで淀みが全くないといったケースは今の所菊花賞ではレアケースで、中盤で63〜5秒あたりに落ち込むのが通例なため、そこでの動き次第ではワンチャンスはありそうです。
特に今回はブライトエンブレムの仕掛けが一つのポイントとなるため、その点でこの馬を見ながら、或いは先手を打って動いていくイメージならば面白いように思えます。
今の京都の長丁場の差し馬で重要なのは3コーナーまでにしっかりと前にポジションを押し上げて3〜4コーナーでできるだけ内を通して押し上げずについていくだけの意識を持てるかにあります。
3〜4コーナーで外から押し上げるというのは超高速化が顕著になった近年の淀の長距離では基本的に難しい舞台になっているため、そこまでに手を打てるかどうかがカギとなります。
ただ、この馬はブライトエンブレムと違って春の実績馬相手にポテンシャルでどこまでやれるかも未知数で、茶臼山高原特別でL1トーセンビクトリーを捕えきれなかったポテンシャル面での甘さを考えても成攻法で動いて勝ち切るのは難しいように思えます。
内で我慢してブライトエンブレムの外からの捲り待ちに賭けるか、向正面の淀みで先頭にまで立つぐらいの捲りを敢行してしまうかといったギャンブルを打たないと厳しい1頭です。


サトノラーゼン
高速馬場巧者で、京都新聞杯でもダービーでも明らかに抜け出す時の脚色が違っていました。
ゆきやなぎ賞は相手関係を考えるともっと最速地点で目立っても良かったはずで、セントライト記念にしてもスムーズな競馬ではありませんでしたが実質2F戦の中でL1で甘くなってしまったというのは不満があります。
前走はダービーや京都新聞杯の様に高速馬場状態であったことがこの馬にとっては追い風だったと考えられます。
ダービーも含めて本当にいい脚は一瞬しか使えておらず、ポテンシャル戦でも超高速馬場なら京都新聞杯でやれるといってもせいぜい3F程度のレベルでした。
基本的にはスピードで篩にかけられた時に振い落されずにそこから勝負というところで一瞬の脚が武器になるというタイプで、この馬の場合は基本的にペースが一定レベル上がった方が良いように思えます。
距離延長とともにパフォーマンスを上げてきていることからも、ディープ産駒の中では比較的距離延長は歓迎できそうな感じは受けます。
この馬は使える脚そのものは長くないため、前々で運ぶ事が好走の条件となります。その点でも理想はできるだけ内目の枠となります。
前半も含めた総合力勝負に持ち込めれば能力的には見劣らないというのはダービーで証明済みで、3〜4コーナーでのポジションで勝負になる位置を狙える馬だけに、そういった競馬を展開できれば今回の相手関係なら勝負になっても良い馬だと言えます。
京都3000mでノーマーク、インに絞ってジッとできる岩田とのコンビは合うはずで、上手く運べれば勝負になっていい一頭となりますが、最低条件としてリアルスティールよりは前で競馬をして欲しいところです。